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IT企業の情報を調べていると、客先常駐の多さに驚くことがあります。特に総合型の転職エージェントでは、客先常駐の企業を紹介されることが多いです。
一方で、社内SEや自社開発企業の求人だけを取り扱っている転職エージェントであれば、客先常駐以外の働き方を見つけることができます。
当記事では、ITエンジニアの就職・転職に際して、客先常駐以外の職種を希望している場合の対処法を詳しく解説します。
当記事の信頼性…当メディアは、株式会社ウィザードが運営しています。
受託・SES案件の開発実績は2,000件以上。数多くのSESエンジニア、SES会社、SES転職事例を見てきました。
IT企業全体の9割以上が何らかの形で客先常駐に関係しています。
そのため、完全に客先常駐をしていない企業を探したり、または自身が客先常駐以外で働ける環境を探すのは、なかなか大変な作業となります。
また、客先常駐している IT エンジニアの比率が7割を超えている企業は28.8%となっています。
そもそも、IT企業における客先常駐の割合はとても多く、IT企業は客先常駐しかない…となりがちです。
客先常駐のITエンジニアは参入障壁が低いため、起業や転職が起こりやすい業界です。そのため人材の動きが激しく、日々多くの求人が募集開始されています。
そのため、ITエンジニアが客先常駐の求人を目にする機会が多くなるのです。
客先常駐以外の質の高いIT求人は、未公開求人になっているケースが多いのです。
なぜなら、常駐ばかりの求人の中で、そうではない求人というのはやはり人気ですので、応募者が殺到してしまうことになりかねません。
一方、企業側としては、応募する人数が増えれば増えるほど、人事部の負担が増えるだけです。
可能であれば、採用条件にできるだけマッチした、厳選した求職者のみを相手にしたいのです。
中小企業でも、ごく少数ではありますが、大手企業との密なコネクションを持っている会社があります。
直接取引なので、仕事を自社に持ち帰って作業することができます。
見極め方は難しいですが、取締役の元勤務先などから仕事を融通してもらっているケースなどが多いですね。
自社製品を持っていて、それを販売して売り上げを立てている会社は、自社製品に関わる開発を自社ですることができます。
これは、SESが横行しているIT業界において、非常に恵まれている条件です。
IT企業の中には、「受託開発」として、客先から直接仕事をもらっている会社があります。その場合、自社で作業することができます。
SESのように仲介業者がいないため、利益率が高い点も利点です。そういった会社で働くことで、客先常駐することはなくなります。
多重下請け構造のSESではなく、より上流工程での作業をすることになり、年収UPも見込めます。
昨今では、現場に常駐せずに、リモートで作業できる案件も増えています。
その場合、自社、または自宅での作業が可能となりますので、客先常駐にありがちなデメリットがほとんど解消されます。
リモート案件を受注できている、または継続できている企業を探すのは非常におすすめです。多数の案件の中から、優良なリモート案件を選んで受注していることが多いためですね。
オフィスが実在しているかや、オフィスが小さすぎないかどうかも、客先常駐メインかそうでないかを見極めるポイントになります。
オフィスが極端に小さい企業ですと、自社で作業していない可能性が高いです。
まとまった人数が作業することができるオフィスを持っているかどうかは、客先常駐企業を見分けるポイントの1つです。
SESが横行した背景に、セキュリティ面での都合があります。
顧客情報やその他機密情報の漏洩を防ぐために、常駐先での作業を求めるのです。
一方で、自社で持ち帰りで作業してもらうと作業場所が増える分、情報漏洩のリスクが高まります。そのため、本当に信頼の置けるパートナー企業でないと任せられません。
つまり、自社で作業できる中小企業は、それだけの信頼がある企業ですし、セキュリティに関するリテラシーが高い企業といえます。
転職エージェントを利用して転職する場合、客先常駐は希望していない旨をしっかり伝えましょう。
客先常駐以外の企業が見つかった場合のみ、連絡をもらえば効率的です。
転職エージェントは複数社登録するのがおすすめです。エージェントによって得意・不得意な領域が存在しますので、紹介される企業の特性が変わるためです。
転職は情報戦です。複数社登録することで、比較検討するための知識が増えて有利になります。
客先常駐をしている企業は全てブラックというわけではありません。
利益率の高い一次受けや、就業条件の良いリモート案件など、ホワイトな案件を粛々とこなしているホワイト企業が存在しています。
例えば、フルリモート対応の案件なら、自社で作業できます。そういった案件を受注している企業であれば、あなたの希望を叶えられる可能性があります。
客先から直接仕事をもらっているSIer企業であれば「受託開発」なので自社で作業することができます。
自社で作業できれば、客先に常駐することはなくなります。
多重下請け構造のSESではなく、より上流工程での作業をすることになり、年収UPも見込めます。
社内SEとして働けば、基本的には自社への出社となりますので、客先常駐で摩耗することはなくなります。
次々に現場に派遣されることがなくなり、社内で落ち着いて業務することができますね。
また、下請けではなく、自社のために働くことができるので帰属意識が高まります。
上流工程から携われるので、ベンダーマネジメント能力も身につきます。
ベンダーマネジメント…プロジェクトに対して必要となる開発者をまとめること
フリーランスとして、独立するのもひとつの手段です。ただし、フリーランスにはリスクもあります。
など、リスクが下がる要因が用意できている状態で、独立するのがオススメです。
また、実力主義で、結果を出さなければ厳しい世界です。月に100万〜200万稼ぐ人がいる一方で、数十万しか稼げない…なんて場合もあるので注意が必要です。
さらに、確定申告の手間がかかったり、社会保険料を自分で負担しなければならないなどデメリットもあります。
「客先常駐しかない」かどうかは、実際に紹介されている求人内容を確認してみると良いでしょう。
なお、当メディアでご紹介している転職エージェントでは、自社開発のSIerや、社内SEの求人情報が豊富に掲載されています。
転職エージェントのサイトでは、転職成功者のインタビュー記事が掲載されています。自社開発起業や受託開発のSIerなど、客先常駐以外の企業への転職実績が掲載されている転職エージェントを選ぶと良いでしょう。
様々な業種を扱う総合転職エージェントではなく、IT特化型の転職エージェントを選ぶと良いでしょう。
「客先常駐ではなく、自社開発企業を目指したい」のような、IT業界内での明確な目標がある場合は、IT専門のエージェントに相談した方が効率が良いからです。「餅は餅屋」ですね。
IT専門の転職エージェントがサポートしてくれる転職サイトは以下になります。
※各社のプロモーションを含みます。
転職してあなたの人生を変えられるのは、あなただけです。行動に移しましょう。
なかなか腰が重いのは、痛いほど分かります。しかし、転職に関する作業は苦痛ですが、転職する時だけです。
一方で、転職しなかった場合は、ずっと苦痛になる可能性があります。
その後のエンジニア人生が左右される重要な決定事項です。この記事をお読みになったあなたが、良いエンジニア人生が送れることを願っています。
株式会社ウィザードのアニジャと申します。SE(システムエンジニア)歴10年。 経歴は、SES客先常駐→.NETエンジニア→Webマーケター。SESエンジニアで磨耗した自身の経験から、SES業界について情報発信しています。 株式会社Synergy Career様が運営するCareer Journalにて、SES関連の記事を監修。 ■保有資格 基本情報技術者、応用情報技術者、情報セキュリティスペシャリスト