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SES転職を目指しているエンジニアは多いことでしょう。
同じSES企業でもより待遇がホワイトな場合もあるので、自分にマッチした環境が見つかれば転職したいですよね。
他にも、ステップアップとして自社開発企業や、腰を据えた環境でスキルアップすることができる社内SEを目指すのもおすすめです。
当記事では、SESの転職でおすすめの転職先や、よくある質問について、SES10年の経験を元に解説します。
当記事の信頼性…当メディアは、株式会社ウィザードが運営しています。
受託・SES案件の開発実績は2,000件以上。数多くのSESエンジニア、SES会社、SES転職事例を見てきました。
「SESは転職ができない」という根拠の薄い定説が存在します。実際はそのようなことはなく、求人要項をしっかり満たせればチャンスがあります。
ただし、SESからSIerや自社開発企業への転職は、難易度は高めです。求人が限られており、狭き門といえます。また、SESエンジニアからの転職先として人気のため、求人が出ると応募が殺到するためです。
ですが、SESエンジニアの実務で得られたスキルを生かすことが出来るため、スキルやキャリアパスのマッチング度が高ければ、転職することは十分に可能と言えます。
企業側から見ても、即戦力のキャリア採用は魅力的な部分も多いと言えます。
まとめると「SESが転職できない」は、単なるネット上の噂だと考えて良いでしょう。
SES業界で転職がしやすい理由として、IT業界は慢性的な人手不足ということが挙げられます。求人が多く、転職しやすい状況です。。経済産業省の調査では2030年には約80万人のIT人材不足が発生する試算が出ています。
出典:経済産業省『IT人材需給に関する調査』
中でも特にSES業界は参入障壁が低いため、起業や転職が起こりやすい業界です。そのため人材の動きが激しく、日々多くの求人が募集開始されています。
SESは、現場に常駐する働き方が基本ですので、労働環境が不安定です。慣れてきた現場も契約期間が終われば、また次の現場に適応しなくてはなりません。
一定期間でリセットされるため、技術的な面でも、コミュニケーションの面でも新たに対応しなくてはいけないので大変ですよね。
そのため、SIer、社内SE、自社開発企業を目指す方が多くなり、SESは不人気です。
ただし、昨今ではリモート対応のSES案件も増えているので、必ずしも労働環境が不安定とは言い切れない部分もあります。
また、利益率の高い一次受け案件を粛々とこなしている優良SES企業も存在しており、SESが全てブラック、というのは間違った認識です。
転職先で求められるスキルを持っていたり、転職先で活躍できる見込みがあれば、勤務年数を必要以上に気にする必要はありません。
前職での勤務年数は、単なる結果であって、あまり意味のない数値でしかありません。
ただし、極端に言えば数ヶ月…というのは短すぎるでしょう。何か問題があって前職を辞めたのかと勘ぐられてしまう可能性もありますし、あまりにも短期間ではスキルもつきにくいですね。
また、自社に入社後もすぐに辞めてしまうのでは?と思われてしまいます。
どうしても極端に短くなってしまう場合は、筋の通った理由を説明できるようにしておきましょう。
資格については「あまり有効ではないが、一定数評価してくれる人もいる。」というのが実情です。
筆者は「応用情報技術者」「情報セキュリティスペシャリスト」を保有しています。しかし、試験内容で実務に役に立ったと思った知識はほぼありません。得られた知識の中で多くて10%程度です。
つまり、実務に直結しません。そのため転職の際にも「資格がある = 採用する」ではありません。
ただし、SESの現場面接の時に評価していただいた事はありました。
資格を取得すること自体が目的にならないように、本当に自分に必要な資格をよく見極めて取得することが大切です。
強いていえば、国家資格である
は持っていて損はないというイメージですね。
SESの契約期間が切れるタイミングが、スムーズに現職を抜けられるタイミングと言えます。
とはいえ、契約期間内に退職しようとする場合でも損害賠償の支払い義務や、罰則等はもちろんありません。労働基準法によって「賠償の禁止」が定められているためですね。
理不尽な引き止めなどによって、自分のキャリアパスが乱されることだけは避けたいので、きっぱり断りましょう。
筆者がこれまで見てきた「優良なSES企業」は、大企業からの仕事を直接受注している企業が多かったですね。
そのため、過度な下請けではないことを確認しましょう。もちろん一次受けであることが望ましいですが、さまざまな事情がありますので、2次受け程度までなら許容できると言えます。
多重下請けの案件ばかり請けている会社では、間に入った企業に売り上げを抜かれていることがあり、利益率が下がってしまいます。
結果として、給与水準が低くなってしまうケースが多く見られます。
昨今では、現場に常駐せずに、リモートで作業できるSES案件も増えています。
SES案件であったとしても、自社、または自宅での作業が可能となりますので、SES案件にありがちなデメリットがほとんど解消されると言えます。
SESのリモート案件を受注できている、または継続できている企業を探すのは非常におすすめです。
現場に行くSESについては、「チーム体制で仕事ができるかどうか」で変わってきます。
一人で現場に行っている場合は、守ってくれる自社の社員が居ないため、何かと不便な思いをする可能性があります。
一方で、チーム体制で仕事ができる場合は、自社の上長やリーダーと協力することができるため、仕事がしやすい傾向があります。
なお、より詳しい優良SES企業の特徴は、こちらの記事を参照してください。
SESからの転職先で人気職種が、社内SEです。
社内SEは、企業の情報システム部門のSEを指し、社内システムの開発、運用、保守、そしてヘルプデスク業務などを行う職種です。
社内SEの求人専門エージェント→社内SE転職ナビ
SIerは、システム開発や運用などを請け負う企業のことです。
「System Integrator(システムインテグレーター)」の略で「SIer(エスアイヤー)」と呼びます。
SIerの場合、自社内で開発することもありますが、客先常駐することもあるため、客先常駐をしたくない場合は注意が必要です。
自社開発企業は、自社が提供するサービス、例えばWebサイトやアプリケーションなどを自社で開発することができる企業です。
開発に際して、クライアントが存在しないことが特徴です。
SESから転職する際に、必ずしもSES以外に転職する必要はありません。転職して、今の現場よりも優良な現場を目指すのも一つの道です。
身売りSES・客先常駐メインではない、優良なSES企業は存在しています。
優良なSES企業は、客先から直接仕事をもらっていたり、リモートのSES案件を受注している会社がおすすめです。
SESで積み上げてきたスキルの棚卸しをして、どんなスキルを身につけることができたのか?を整理しましょう。
その際、ただこれまで得たスキルを羅列するのではなく、自身の将来のキャリアパスを定め、それにマッチしたスキルを積み上げられているかどうかをチェックすると良いでしょう。
すると、次に行くべき転職先についての要望もまとまります。
もし難しく感じるようでしたら、転職エージェントに相談しながら進めればOKです。
今SESで現場に出ている場合は、自身のキャリアパスをしっかり描いて、今後やりたい業務内容とマッチした案件を選びましょう。
その先にある転職を考慮して、必要となるスキルを磨いていくためです。
ただ会社に言われたまま、キャリアパスに合わない現場に行かされると、遠回りになってしまいます。
SESで得たスキルと、自社開発企業の求人内容がマッチしていれば最適な転職先は見つかります。
スキルのマッチングについては、転職のプロである転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談するとスムーズです。
キャリアアドバイザーは、これまで多くの求職者&企業を見てきた、いわば「転職のプロ」です。
IT関係のアドバイザーは元エンジニアというケースも多いため、細かい要望もヒアリングして、最適なマッチングをしてくれます。
※各社のプロモーションを含みます。
転職してあなたの人生を変えられるのは、あなただけです。行動に移しましょう。
なかなか腰が重いのは、痛いほど分かります。しかし、転職に関する作業は苦痛ですが、転職する時だけです。
一方で、転職しなかった場合は、ずっと苦痛になる可能性があります。
その後のエンジニア人生が左右される重要な決定事項です。この記事をお読みになったあなたが、良いエンジニア人生が送れることを願っています。
株式会社ウィザードのアニジャと申します。SE(システムエンジニア)歴10年。 経歴は、SES客先常駐→.NETエンジニア→Webマーケター。SESエンジニアで磨耗した自身の経験から、SES業界について情報発信しています。 株式会社Synergy Career様が運営するCareer Journalにて、SES関連の記事を監修。 ■保有資格 基本情報技術者、応用情報技術者、情報セキュリティスペシャリスト