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SESに将来性ってあるの?今後が心配。
SES企業に就職しても大丈夫?
そのような疑問をお持ちかもしれません。
結論から言って、将来性のあるSESとそうでないSESが存在しています。
一次受け、リモート可、チーム体制など、良質なSES案件が受注できている企業であれば将来性があるといえます。
一方で、それ以外の場合は、将来性がないと言えます。
以下、詳しく解説します。
当記事の信頼性…当メディアは、株式会社ウィザードが運営しています。
受託・SES案件の開発実績は2000件以上。数多くのSESエンジニア、SES会社、SES転職事例を見てきました。
IT業界は慢性的な人手不足です。経済産業省の調査では2030年には約80万人のIT人材不足が発生する試算が出ています。
出典:経済産業省『IT人材需給に関する調査』
中でも特にSES業界は参入障壁が低いため、起業や転職が起こりやすい業界です。そのため人材の動きが激しく、日々多くの求人が募集開始されています。
今後、数年でSESが無くなるとは考えにくいですね。むしろ、ますます需要が増えていく業態と言えます。
昨今では、現場に常駐せずに、リモートで作業できるSES案件も増えています。そのため、SESだからと言って必ずしも労働環境が不安定とは言い切れません。
自社、または自宅での作業が可能となりますので、SES案件にありがちなデメリットがほとんど解消されると言えます。
SESのリモート案件を受注できている、または継続できている企業を探すのは非常におすすめです。ここ数年のSES業界で、最も注目するべき流れの一つと言えますね。
実際に弊社でもフルリモートのSES案件を受注しており、自社で作業しています。
また、利益率の高い一次受け案件を粛々とこなしている優良SES企業も存在しており、SESが全てブラック、というのは間違った認識です。
筆者がこれまで見てきた「優良なSES企業」は、大企業からの仕事を直接受注している企業が多かったですね。
ITの市場規模は伸び続けており、その屋台骨を支えるSESも同様であるといえます。
最新の国内ITサービス市場予測によると、2023年の市場規模は前年比6.0%増の6兆4608億円で、同市場の成長率が5%を超えるのは、2010年以降で初となります。
成長が続いているだけでなく、成長率も過去最高水準です。
ITはもはやIT企業だけのものだけではなくなり、事業会社やサービス開発にも欠かせないものです。
それだけでなく、昨今ではDX(デジタル・トランスフォーメーション)推進により、業務改善や事業計画の立案などが活発化しており、そのためのIT人材の需要が増えています。
参考・出典:SaaS・ITサービスの比較サイトならkyozon
IT企業全体の9割以上が何らかの形で客先常駐に関係しています。また、客先常駐している ITエンジニアの比率が7割を超えている企業は28.8%となっています。
そもそも、IT企業における客先常駐の割合はとても多く、「IT ≒ SES」と言える状況です。そのため、完全にSESをしていない企業を探したり、またはSES以外で働ける環境を探す方が難しい状況です。
それだけ業界構造として根強いSESが、今後数年で無くなるとは考えにくいのが現状です。
10年前から「SESは将来性がない」と言われ続けていました。ですが結果として、現在でもSESは業界の商習慣として残り続けています。
ITエンジニアやIT人事に関連するインフルエンサーやブロガーの、ある種のポジショントークとして、「SESは将来性がない」という発信をしているだけと考えられます。
多重下請けの案件ばかり請けている会社では、間に入った企業に売り上げを抜かれていることがあり、利益率が下がってしまいます。結果として、給与水準が低くなってしまうケースが多く見られます。
過度な下請けではないことを確認しましょう。もちろん一次受けであることが望ましいですが、さまざまな事情がありますので、2次受け程度までなら許容できると言えます。
SESで案件が選べない場合、学びたい技術ではない現場や、スキルにミスマッチした現場に行かされるケースがあり、自身が思い描いていたキャリアパスが描けない可能性が上がります。
自身のキャリアパスをしっかり描けて、やりたい業務内容とマッチした案件を選べることが理想です。
SESでは、現場は自社のSES営業が持ってきた案件に参画することが普通です。そのため「案件ガチャ」状態で、選べないケースも多いでしょう。
テスターやコールセンターなど、システム開発のスキルがつかない現場に行かされるSESは将来性が低いですね。スキルがつかないと、他の開発案件に移ることも難しくなり、負のループに陥ってしまいます。
さらに、社員から現場の変更を求められた場合に、柔軟に対応してくれない企業も要注意です。
良質なプライム案件(1次請け案件)を受注しているSES企業であれば、自社で上流工程からワンストップで対応しているケースが多く、設計などの技術を学ぶことができます。
プライム案件は、発注企業との強いコネクションがないと受注することができません。そういった良質なコネクションを持っている企業は、今後も将来性が高いといえます。
自社開発や受託開発など、SES以外の業務も展開している企業も狙い目です。自社開発で売り上げを立てている会社は、クライアント企業の受託業務に依存せずに、柔軟に働き方を変えることが可能です。
受託開発では、クライアントから発注を受けたシステムやソフトウェアの開発を行います。発注企業からの要件に応じて様々なシステムを開発するため、様々な種類の案件や、開発環境を経験することができます。
いずれも、SESが横行しているIT業界において、非常に恵まれている条件です。
ホワイト案件を受注して労働管理ができているSES企業では、30代〜以降まで幅広い年代のエンジニアが活躍しているはずです。
人材流出していないかどうか?に着目して企業を選ぶと良いでしょう。
一方で、将来性のないSES企業では、エンジニアの離職率が高まり、若手ばかりになっている可能性が高いといえます。
SESで現場に出ていると、自社の社員と全く会わないケースも多々あります。すると、仕事に対する評価基準が現場を通したものになります。
直接的に自社の上長から評価を受ける場合と比べると、適切な評価がなされているかどうか不明瞭です。
そういったSESの弱点を意識して、しっかりとした評価制度を用意している企業を選ぶと良いでしょう。
例えば、エンジニアが生み出した利益から、何パーセントが給与になったのかを明示的に示すような、評価制度をとる会社もあります。納得感がありますし、交渉もしやすいですよね。
また、チーム体制で仕事ができている会社がおすすめです。チーム体制であれば、上司を頼ることができますし、評価制度もしっかり機能します。
なお、より詳しい優良SES企業の特徴は、こちらの記事を参照してください。
転職エージェントは人事部と密にコミュニケーションを取っており、求職者が持っていないSES企業の情報を把握しています。
転職活動は情報戦です。良質な情報を手に入れられるかどうかで勝負が決まります。
今は優秀な転職エージェントがサポートしてくれる転職サイトがあるため、恵まれています。
※各社のプロモーションを含みます。
転職してあなたの人生を変えられるのは、あなただけです。行動に移しましょう。
なかなか腰が重いのは、痛いほど分かります。しかし、転職に関する作業は苦痛ですが、転職する時だけです。
一方で、転職しなかった場合は、ずっと苦痛になる可能性があります。
その後のエンジニア人生が左右される重要な決定事項です。この記事をお読みになったあなたが、良いエンジニア人生が送れることを願っています。
株式会社ウィザードのアニジャと申します。SE(システムエンジニア)歴10年。 経歴は、SES客先常駐→.NETエンジニア→Webマーケター。SESエンジニアで磨耗した自身の経験から、SES業界について情報発信しています。 株式会社Synergy Career様が運営するCareer Journalにて、SES関連の記事を監修。 ■保有資格 基本情報技術者、応用情報技術者、情報セキュリティスペシャリスト