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SIer企業にお勤めで「つらい…」と疲弊している場合、どのような対処法が取れるでしょうか。
SIer企業が辛い、と感じる理由は以下のようになります。
当記事では、SIer企業で辛い!と感じている場合の対処法や、転職事例などを詳しくご紹介します。
当記事の信頼性…当メディアは、株式会社ウィザードが運営しています。
受託・SES案件の開発実績は2,000件以上。数多くのSESエンジニア、SES会社、SES転職事例を見てきました。
そもそもSIer(エスアイヤー)とは、System Integrator(システムインテグレーター)の略で、システム開発や運用などを手掛ける企業のことです。
大手SIerでは、要件定義やシステム設計といった上流工程を担当し、プログラミングなどの開発業務は協力会社等に委託するのが一般的です。
そのため、大手SIerで働くエンジニアは主にプロジェクト管理がメインとなり、開発全体を統括します。
SIerでは、上流工程やマネジメント(調整)作業ばかりになり、実際にプログラミングでロジックを組む機会は少ないと言えます。
上流工程に行けば行くほど、プログラミングの技術は不要で、コミュニケーション能力や、顧客の要望を満たすための説明能力が求められます。
大手SIerでは、実際の開発業務は協力会社等に投げるケースが多くみられます。
そのため、Word、PowerPointを使用した協力会社向けのドキュメント作成がメインというSIer企業も多いことでしょう。
ゴリゴリにロジックを組むことが無いため、プログラミングでロジックを考案することに面白みを感じる技術者にとっては退屈に感じるケースがあります。
顧客との折衝がメインとなる上流フェーズは退屈でしょう。
中〜大規模なシステム開発の案件では、Javaなどいわゆるレガシー(枯れた)技術を中心に行われることも多いです。
安定した稼働を優先するため、熟成度が高いプログラム言語を使うことが増えます。
プログラム言語のバグに起因した不具合が起こりづらく、バージョンアップしても変更点が最小で済むためです。
一方で、新しい技術に挑戦していきたいエンジニアにはマッチしない風潮です。
SIerでは顧客の要求に沿ってシステム開発が行われていくため、要求に含まれない新しい機能や、より効率の良い開発をすることができるプラットフォームの提案などをする機会はほとんどありません。
発注企業の度重なる仕様変更に振り回される..そんな風に消耗する現場が数多く存在します。
対応範囲をしっかりと明示して、それ以降の仕様変更は再見積もりにするなど、交渉力も求められます。
とはいえ、発注者の立場を利用して高圧的な態度で臨んでくる担当者も居るのが実情です。お客さんからの無茶振りなので、少し無理して残業等で対応してしまうエンジニアも少なくないでしょう。
独立系のSIer企業では、外部の企業からのシステム構築依頼がメインです。
※メーカー系SIerやユーザー系SIerでは自社のグループ企業などからの発注もあります。
外部企業からの依頼ですと、スケジュールや納期に融通が効かず、納品直前のタイミングなどでは長時間残業や休日出勤などの時間外労働が増えやすい傾向にあります。
SIerを含めたIT業界では、多重下請け構造がよく見られます。発注企業と受注者の間に、仲介企業が何社も挟まっている構造のことです。
自社に案件が回ってきた段階で、4次請け、5次請けなど「商流が深い」案件がゴロゴロしています。顔も名前も知らない仲介業者に、自分の単価から中間マージンが毎月抜かれていると思うとゾッとしますね。
全てのSIer企業が当てはまる訳ではないものの、業界ではよくある話です。
業務は良いポジションから埋まっていきます。下請けで回ってきた時点で、他のエンジニアが選ばなかった業務が回されています。そういった案件は、作業の質が低く、スケジュールがタイトなことが多いです。
また、作業が細分化されているため、「自分が何を作っているのかイマイチ分からない」といったケースもあります。
下請けすぎるSIer企業で辛いと感じているなら、キャリアアップを目指すと良いですね。
SIer企業では、関わるプロジェクトごとに人間関係がガラリと変わります。
円滑にコミュニケーションが取れているSIer企業であれば良いですが、必ずしもそうとは限りません。
マネジメント能力が低いリーダー、やる気のない協力会社社員など、人間関係が悪化する要因が現れるケースがしばしばあります。
また、激務が続いて疲れていると、人間関係も悪化しがちです。
SIer営業は競争が激しいため、短納期・安売りなど営業マンがとってきた仕事の質が低いことがあります。
結果として、エンジニアの負担増につながるケースがよく見られます。
顧客折衝や設計書作成など、上流フェーズばかりをこなしている場合、プロジェクトの上流に位置するSIer企業で働いているケースが多いかと思います。
その場合、企業規模のより小さい、中小SIerへ転職するとプログラミングフェーズを担当することができます。
また、上流フェーズで培った汎用性の高いスキルは、中小SIerに行っても活用することができるため、引く手数多の状況になると考えられます。
ただし年収レベルは下がる可能性があります。
事業会社のIT部門を強化するためのエンジニア採用に応募してみるのも良いでしょう。自社のために主体性を持ってIT戦略立案やIT企画に取り組みたい人にマッチします。
いまやあらゆる業界で、IT活用が企業の競争力を高める上で不可欠です。
そのため、ITの知識を持った元SIer企業社員からの転職はしやすい状況といえるでしょう。
SESに良いイメージがないかもしれませんが、今はリモート対応のSES案件をこなしている企業なども存在しています。
そのため、SIerからSES企業へ転職することは、必ずしも悪いことではありません。
社内SEとして働けば、基本的には自社への出社となりますので、客先常駐のSIer企業で摩耗することはなくなります。
次々に現場に派遣されることがなくなり、社内で落ち着いて業務することができますね。
また、下請けではなく、自社のために働くことができるので帰属意識が高まります。
フリーランスとして、独立するのもひとつの手段です。ただし、フリーランスにはリスクもあります。
など、リスクが下がる要因が用意できている状態で、独立するのがオススメです。
また、実力主義で、結果を出さなければ厳しい世界です。月に100万〜200万稼ぐ人がいる一方で、数十万しか稼げない…なんて場合もあるので注意が必要です。
さらに、確定申告の手間がかかったり、社会保険料を自分で負担しなければならないなどデメリットもあります。
「良質なSIer企業やSES企業が掲載されているかどうかは、実際に紹介されている求人内容を確認してみると良いでしょう。
なお、当メディアでご紹介している転職エージェントでは、自社開発のSIerや、社内SEの求人情報が豊富に掲載されています。
転職エージェントのサイトでは、転職成功者のインタビュー記事が掲載されています。自社開発起業や受託開発のSIerなど、優良IT企業への転職実績が掲載されている転職エージェントを選ぶと良いでしょう。
様々な業種を扱う総合転職エージェントではなく、IT特化型の転職エージェントを選ぶと良いでしょう。
「SIerから事業会社の社内SEを目指したい」のような、IT業界内での明確な目標がある場合は、IT専門のエージェントに相談した方が効率が良いからです。「餅は餅屋」ですね。
IT専門の転職エージェントがサポートしてくれる転職サイトは以下になります。
※各社のプロモーションを含みます。
転職してあなたの人生を変えられるのは、あなただけです。行動に移しましょう。
なかなか腰が重いのは、痛いほど分かります。しかし、転職に関する作業は苦痛ですが、転職する時だけです。
一方で、転職しなかった場合は、ずっと苦痛になる可能性があります。
その後のエンジニア人生が左右される重要な決定事項です。この記事をお読みになったあなたが、良いエンジニア人生が送れることを願っています。
株式会社ウィザードのアニジャと申します。SE(システムエンジニア)歴10年。 経歴は、SES客先常駐→.NETエンジニア→Webマーケター。SESエンジニアで磨耗した自身の経験から、SES業界について情報発信しています。 株式会社Synergy Career様が運営するCareer Journalにて、SES関連の記事を監修。 ■保有資格 基本情報技術者、応用情報技術者、情報セキュリティスペシャリスト