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SES(現場常駐)では、あらかじめ契約期間が設けられており、その期間内、エンジニアが常駐し続けるというルールになっています。
辞めたい!と思っても「損害賠償請求されてしまうのでは…?」という不安が付きまといます。
また、転職先が見つかるかどうかが不安でなかなか辞められない…というケースもあるかと思います。
結論から言って、SESエンジニアは契約期間内であっても、自由に退職することが可能です。また、「職業選択の自由」が労働者の権利として定められているため、損害賠償を求められることはありません。
エンジニアには、SES以外の働き方ももちろん存在しています。SESを今すぐ退職したい!と考えているなら、すぐに行動するべきです。この記事では、SESを契約期間中にやめる際に、確認したいポイントをまとめています。
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受託・SES案件の開発実績は2000件以上。数多くのSESエンジニア、SES会社、SES転職事例を見てきました。
契約期間は、あくまでも会社間の取り決めの元に定められています。SES契約期間内であっても、労働者には「退職の自由」が民法で定められていますので、好きなタイミングで止めることができます。
期間の定めのない雇用の場合(民法第627条第1項)労働者には「退職の自由」がある。そのため、退職を希望する労働者は自由に退職することができ、退職の意思表示から2週間が経過すると雇用関係が終了(=退職)する。
出典:日本労働組合総連合会
ただし迷惑がかからないように、1ヶ月前には退職の意向を伝えるようにするのがマナーです。また、転職先を先に決めてしまうのもポイントです。企業としても、次の職場が決まっている人間は引き止めにくいためですね。
退職にあたり、損害賠償の支払い義務も、もちろんありません。労働基準法によって「賠償の禁止」が定められているためですね。
第十六条 使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。
出典:e-GOV 法令検索
SESを契約期間内に退出しようとする場合、「このプロジェクトが終わるまで居てくれ。」「交代要員を用意するから来月末まで待ってくれ。」のように、引き止められる可能性があります。
さらに、SESで準委任契約であるにも関わらず「このプロジェクトが完成するまでは責任を持って働いてくれ。」などと、本来負わなくてもよい責任範囲を守るように指示されてしまう可能性もあります。
※SESにおける準委任契約は、仕事の完成を目的としない労働力を提供する契約です。プログラムの完成に責任を負うことはありません。
引き止めによって、自分の転職計画が乱されることだけは避けたいところですね。
そのため、引き止めの可能性を考慮して、期間的に十分に猶予を持った形で退職の意向を伝えるようにしましょう。また、理不尽な引き止めはきっぱり断りましょう。
SESをやめようとしたときに、ブラックな企業ですと、無理やり引き止められてしまうケースなどがあるかもしれません。
その際に、バックレ(無断欠勤、無連絡)などの強行手段を取るのはおすすめできません。法律的にも、倫理的にも色々と引きずったままですと、後々、自分が不利になってしまうような可能性も出てきます。
無理のない形で円満退社することを目指しましょう。
有給休暇の取得は、労働者の権利です。残っている日数を全て消化できるように調整しましょう。
とはいえ、最後にまとめて取得すると迷惑がかかる可能性がありますので、転職の意思を伝える前などに、毎週ごとに取るなど工夫します。有給休暇は、転職活動のために利用するのがベストです。
まず、勤めている会社の就業規則を確認します。
多くの会社で「退職の場合は1ヶ月前に通知すること」と記載されています。常駐先との契約期間が残っていても、就業規則通りに退職すれば問題ありません。
自社の上司に、退職の意思を伝えてください。
現場の責任者には、上司→自社の営業→現場の責任者という形で話がいくはずです。その後、現場の責任者に対して、自分から退職の意思を伝えるのがスムーズでしょう。その際、退職の意思が現場全体に伝わる日数も場合によっては数日かかります。それらのタイムラグを考慮して、いつまでに退職したいか?を足した日数のタイミングで伝えるようにしましょう。
自分が担当していた業務を、後任してくれるメンバーに引き継ぎます。引き継ぎが適当だと、後々迷惑がかかってしまいますので、しっかりと行うことをおすすめします。作業内容、手順などをドキュメントにまとめておくと良いでしょう。退職後に連絡がくることだけは避けたいですね。
最後に、退職に必要な手続きを済ませます。SESの担当営業もしくは人事部に手続きをお願いします。
退職届けは2週間前までには提出するようにしましょう。フォーマットは自由です。
SESではない、エンジニアの働き方は多く存在します。その際に、転職先としてオススメできる職種は以下になります。
SIerで受託開発 / 社内SE / Web開発 / フリーランス / 常駐先の引き抜きなど、SESではないITエンジニアとしての働き方を模索すると良いでしょう。
これらの職種については、以下の記事でより詳細を解説しています。
IT業界は、基本的には人材が不足しており、売り手市場と言えるので、転職はしやすい状況です。
今は優秀な転職エージェントがサポートしてくれる転職サイトがあるため、恵まれています。
転職エージェントは、企業の人事部と密なコミュニケーションをとっており、内情にも詳しいです。
転職は情報戦です。より有効な情報を手にいれるためにも、転職エージェントの利用は必須と言えます。
※各社のプロモーションを含みます。
転職してあなたの人生を変えられるのは、あなただけです。行動に移しましょう。
なかなか腰が重いのは、痛いほど分かります。しかし、転職に関する作業は苦痛ですが、転職する時だけです。
一方で、転職しなかった場合は、ずっと苦痛になる可能性があります。
その後のエンジニア人生が左右される重要な決定事項です。この記事をお読みになったあなたが、良いエンジニア人生が送れることを願っています。
株式会社ウィザードのアニジャと申します。SE(システムエンジニア)歴10年。 経歴は、SES客先常駐→.NETエンジニア→Webマーケター。SESエンジニアで磨耗した自身の経験から、SES業界について情報発信しています。 株式会社Synergy Career様が運営するCareer Journalにて、SES関連の記事を監修。 ■保有資格 基本情報技術者、応用情報技術者、情報セキュリティスペシャリスト