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インフラエンジニアからのキャリアアップとして、自社開発企業や社内SEへの転職が挙げられます。
結論から言って、インフラエンジニアから社内SEへの転職は、難易度は低くないものの可能です。
インフラエンジニアと社内SEでは、設備管理など一部業務内容がオーバーラップしているケースもあり、インフラエンジニアの実務で得られたスキルを生かすことが出来るため、スキルやキャリアパスのマッチング度が高ければ可能性があります。
当記事では、インフラエンジニアから社内SEを目指す方に向けて、転職が可能である理由や、転職のコツを詳しく解説します。
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受託・SES案件の開発実績は2000件以上。数多くのエンジニア、IT企業、転職事例を見てきました。
インフラエンジニアからの転職先で人気職種が、社内SEです。
社内SEは、企業の情報システム部門のSEを指し、社内システムの開発、運用、保守、そしてヘルプデスク業務などを行う職種です。
社内SEの業務は、基本的には自社のための作業ですので、作業実績が業績に直接コミットされることが醍醐味の1つです。
自社に貢献していることが目に見えますので、やりがいのある仕事です。社内のメンバーから感謝される機会も多いでしょう。
一方で、インフラエンジニアの場合は、携わったクライアント企業のシステム運用に関わらないケースも多々あります。その場合、インフラ構築が終わったらそれまで、という場合も多く、感謝される機会が少ないと言えます。
社内SEでは自社のための作業に注力しますので、自社への帰属意識を持って作業ができます。
一方で、インフラエンジニアでは、クライアント企業のインフラ構築の場合、クライアント企業に行きっぱなしで帰属意識が希薄になりがちです。
社内SEの業務は、インフラエンジニアとは違って、数年にわたって同じ業務に従事することが一般的です。ひとつの業務を、落ち着いて腰を据えて取り組みたい方にとっては、社内SEのほうが向いていると言えます。
勤務先が変わらずに安定するメリットがあります。そのため、安定的に腰を据えて働くことができます。環境の変化が少ないため、肉体的にも精神的にも負担が少なく済みます。
インフラを構築する現場ごとに勤務先が変わるインフラエンジニアに比べるとストレスやプレッシャーが少ないですね。
社内SEの仕事の平均年収は約499万円。日本全体の平均年収と比べて高めな傾向です。
SE/プログラマ | 404万円 |
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デバッグ/テスター | 367万円 |
インフラエンジニア | 496万円 |
出典:国税庁の令和2年度「民間給与実態統計調査結果」、求人ボックス.com
また、ITの他職種と比べてもやや高い水準です。ただし、インフラエンジニアも全産業平均と比べて悪くない水準です。
インフラエンジニアから社内SEへ転職した場合、業務内容の幅が広がります。
インフラエンジニアで受託することができる案件は、インフラ環境の構築や運用・保守です。
一方、事業会社の社内SEはこうした環境構築だけを行うわけではありません。
など、業務は拡大します。
社内SEは、社内のユーザーから自社システム完成系のイメージをヒアリングして、設計を行うことになります。これまでSIerに頼んでいた領域を、自社で内製するために社内SEを雇います。
これは社内インフラ構築・運用業務がメインのインフラエンジニアのSEにはない業務です。業務範囲を広げたいと考えているインフラエンジニアにとっては、絶好の好機と言えるでしょう。
「設備管理ばかりではなく、自社システムの内製に関わることでより幅広いシステム開発のフェーズに携わりたい。」
「インフラエンジニアでのインフラ構築経験を生かして、社内SEでも活用したい。」
このような考えをお持ちのインフラエンジニアは、社内SEへの転職を目指すべきと言えます。
オンプレミスでシステムが動いている事業会社では、設備を管理する仕事もあります。
オンプレミス…システムの稼働やインフラの構築に必要となるサーバーやネットワーク機器、またはソフトウェアなどを自社で保有し運用するシステムの利用形態
最近ではクラウドなどの導入事例が増えてオンプレミスのシステムは減少傾向にありますが、まだまだ今すぐに無くなるというほどのフェーズには達していないのが現状です。
その場合、ほぼ例外なくハードウェアベンダーと保守契約が結ばれていますが、トラブル発生時の一次切り分けは社内SEが担当することになります。
これらの業務においては、インフラエンジニアで培った業務遂行力をそのまま生かすことができます。
事業会社のSEは社内のIT担当として、社内ユーザーからの要求やクレームを受ける窓口になります。いわゆるヘルプデスクと呼ばれるような業務ですね。
中には、初歩的な質問がくることもあります。必要以上に時間をとられるケースもあり、大変な業務です。インフラエンジニアならではの設備知識を生かすことで、ユーザーに対して的確な回答を返すことが可能です。
ウイルス対策ソフトの選定・導入や、不正アクセスの監視などのセキュリティ管理業務もあります。こちらも、インフラエンジニア時代で得られた知見をフルに生かすことができますね。
すでにエンジニア経験がありキャリアを積んでいるが、社内SEは未経験というエンジニアには、社内SEへの転職に門戸が開かれています。
インフラエンジニアでの経験、ノウハウをそのまま活かすことができます。その最たるものは設備管理です。インフラエンジニアのSEは、複数の顧客企業や多くのプロジェクトを担当しており、多くのITベンダーとつきあいがあります。
その経験値の多さは事業会社のITベンダーとしての設備管理業務にも活用することができます。
非IT業界のIT部門では、高度なIT知識を持った人材を社内SEとして迎え入れることで、自社のIT部門を強化したいので、即戦力の人材を求めています。
DX(デジタルトランスフォーメーション)化推進、IoT、ビッグデータ構築などの流れも、現在のIT業界において大きな潮流の1つです。
特にDX(デジタルトランスフォーメーション)化推進による業務は、業種に関わらず増大傾向にあります。
DX…企業が積極的にIT技術を取り入れ、ビジネスモデルや組織文化、そして制度などを、より良い方向に変革(transformation)する取り組みのこと。
DX化推進に伴い、システム開発や運用を自社で手がける内製化も活発化しており、ITエンジニアは重宝される存在になります。
その結果、多くの業界でエンジニアの需要が高まっているため、社内SEの採用枠が増えている現状があります。
インフラエンジニアからの転職先としては、社内SE以外にもさまざまなキャリアパスが考えられます。社内SEがベストかどうかは、これまでのキャリアや、今後どうありたいか?によって変わります。
インフラエンジニアからの転職先としては、以下のIT職種が挙げられます。
SIerは、システム開発や運用などを請け負う企業のことです。
「System Integrator(システムインテグレーター)」の略で「SIer(エスアイヤー)」と呼びます。
SIerの場合、自社内で開発することもありますが、客先常駐することもあるため、客先常駐をしたくない場合は注意が必要です。
自社開発企業は、自社が提供するサービス、例えばWebサイトやアプリケーションなどを自社で開発することができる企業です。
開発に際して、クライアントが存在しないことが特徴です。
身売り・客先常駐メインではない、優良なSES企業は存在しています。
優良なSES企業は、客先から直接仕事をもらっていたり、リモートのSES案件を受注している会社がおすすめです。
インフラエンジニアから社内SEへの転職では、インフラエンジニアの実務経験の中で、どのようなスキルを身につけられているかどうかカギとなります。
自分ではスキルになっていないと思っていても、思わぬ経験が評価されたりするのが転職市場です。自身のスキルを客観的に判断することが大切です。
インフラエンジニアで得たスキルと、社内SEの求人内容がマッチしていれば最適な転職先は見つかります。
スキルのマッチングについては、転職のプロである転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談するとスムーズです。
キャリアアドバイザーは、これまで多くの求職者&企業を見てきた、いわば「転職のプロ」です。
IT関係のアドバイザーは元エンジニアというケースも多いため、細かい要望もヒアリングして、最適なマッチングをしてくれます。
インフラエンジニアから社内SEを効率的に目指す方法としては、転職エージェントに相談すると良いでしょう。
転職エージェントは人事部と密にコミュニケーションを取っており、求職者が持っていない企業情報を把握しています。
転職活動は情報戦です。良質な情報を手に入れられるかどうかで勝負が決まります。
※各社のプロモーションを含みます。
転職してあなたの人生を変えられるのは、あなただけです。行動に移しましょう。
なかなか腰が重いのは、痛いほど分かります。しかし、転職に関する作業は苦痛ですが、転職する時だけです。
一方で、転職しなかった場合は、ずっと苦痛になる可能性があります。
その後のエンジニア人生が左右される重要な決定事項です。この記事をお読みになったあなたが、良いエンジニア人生が送れることを願っています。
株式会社ウィザードのアニジャと申します。SE(システムエンジニア)歴10年。 経歴は、SES客先常駐→.NETエンジニア→Webマーケター。SESエンジニアで磨耗した自身の経験から、SES業界について情報発信しています。 株式会社Synergy Career様が運営するCareer Journalにて、SES関連の記事を監修。 ■保有資格 基本情報技術者、応用情報技術者、情報セキュリティスペシャリスト