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SESでは、一度現場に行ったら行きっぱなしというケースが多く見られます。
その間、自社の社員とは一切会うことが無くなるので「働きぶりが正当に評価されているか疑問だ」という声も上がりやすいでしょう。
SESの構造的な欠陥であり、業界が抱える大きな問題点の一つです。
とはいえ、リモート案件の普及などにより、従来に比べると評価制度が充実するケースがあるのも事実です。
当記事では、SESで正当に評価されるための方法について詳しく解説します。
当記事の信頼性…当メディアは、株式会社ウィザードが運営しています。
受託・SES案件の開発実績は2000件以上。数多くのエンジニア、IT企業、転職事例を見てきました。
SESで評価されにくい最大の理由としては、現場に常駐するためです。多くの場合、現場に行きっぱなしで自社の人間に会う機会がないため、評価は現場の人間を通したものになります。
直接評価がされないのは納得感が薄いですし、せっかく貢献したとしても細かい仕事ぶりまで伝わるかどうかは疑問が残ります。
SESでは、基本的に「準委任契約」といって、労働時間を常駐先に提供する契約が結ばれていることがほとんどです。その際に、年齢やスキルに応じて単価が支払われます。
この単価だけを基準として評価するSES企業も存在しており、仕事ぶりの評価が不足していることがあります。
そもそも、単価自体をエンジニアに教えてくれないケースも存在します。そうすると自分の市場価値を測ることが難しくなりますし、評価自体がブラックボックス化してしまいますよね。
単価を教えてくれずに、現場に行きっぱなしにするような企業はすぐに抜け出すことをおすすめします。
SESでは、自社のSES営業がとってきた案件に言われるがまま行かされて、現場が選べないケースも多くあります。いわゆる「現場ガチャ」という状態ですね。
すると、自身のキャリアにマッチしていないケースも生じます。当然ながらキャリアがアンマッチの状態ですと本来のポテンシャルを発揮することができず、評価も下がってしまう傾向があります。
自社のSES営業マンとのコミュニケーションが不足しているケースもあります。
エンジニアのスキルについて、間違った認識のもとに案件探しが行われており、結果としてキャリアパスにマッチしない案件にアサインされる場合があります。すると、本来得られたはずの評価が得られないケースも出てきます。
エンジニアとしては、SES営業が自分のスキルや経歴についてどれぐらい把握できているか?は常に意識しておきたいですね。
SES営業は自社のエンジニアや案件を多く抱えているのが普通なので、一人一人の正確なマッチングが疎かになるケースは少なくありません。
評価制度の整ったSES企業を探すことが大切です。筆者は10年ほどSES業界に携わっていますが、エンジニア個々の評価制度について、ずさんになっている企業も少なくなかったというのが肌感覚としてあります。
一方で、しっかりとした評価制度のもとに、エンジニアと企業との間で良い関係を構築しているホワイトなSES企業も存在しています。
SESだから全て評価制度が良くない、というわけではありません。その点は、「SES = ブラック」と誤解されていることも多いと言えます。
チーム体制で仕事ができている会社がおすすめです。チーム体制であれば評価制度もしっかり機能しますし、スキル不足をお互いにカバーし合うことも可能です。
一方で、一人で現場に行っている場合は、守ってくれる自社の社員が居ないため、何かと不便な思いをする可能性があります。
昨今では、現場に常駐せずに、リモートで作業できるSES案件も増えています。そのため、SESだからと言って必ずしも評価制度が悪いとは言い切れません。
自社、または自宅での作業が可能となりますので、SES案件にありがちなデメリットがほとんど解消されると言えます。
SESのリモート案件を受注できている、または継続できている企業を探すのは非常におすすめです。ここ数年のSES業界で、最も注目するべき流れの一つと言えますね。
弊社でもフルリモートのSES案件を受注しており、自社で作業しています。
確かに、従来のSESでは「働き方」に問題があるケースも多かったのは事実です。自社に全く帰らないことも多く、評価基準が曖昧になったり、帰属意識が薄れるなど問題も多かったからです。
しかし、リモート案件の台頭により、質の高いSES案件が増えてきています。
SESの評価制度にどうしても納得がいかない場合は、SES以外の働き方を模索するのもキャリアパスの一つの選択肢となります。SESからの転職先としては、以下のIT職種が挙げられます。
例えば、自社プロダクトの開発等に自社オフィスで携われる職種であれば、評価制度に納得できる可能性が高くなるでしょう。
これらの職種については、以下の記事でより詳細を解説しています。
SESからの転職で難易度が下がる方法があります。それは、「常駐先に転職する」というパターンです。この企業に入りたい!と思える現場に常駐できている必要はありますが、SESエンジニアならチャンスがあるといえます。
いわゆる「引き抜き」ですね。引き抜く側の企業にとってもメリットが多い雇用方法です。すでに業務を行っていた人物なので、人柄や仕事ぶりについて明確に把握できています。そのため、雇ってからのミスマッチが起こりづらく、雇用にかけるコストが少なく済みます。
引き抜きについては、以下の記事でより詳しく解説しています。
自社のSES評価制度に不満がある場合、会社にその旨を伝えて、評価制度の見直しを提案することもできます。
例えば、「還元率の開示」を求めることが挙げられます。「還元率」とは、エンジニアが生み出した利益のうち、何パーセントが給与になったのかを明示的に示す数値です。開示されていると納得感がありますし、還元率UPの交渉もしやすいですよね。
また、チーム体制で仕事ができるように動くのも有効です。チーム体制であれば、自社の社員と顔を合わせることになるため、評価制度もしっかり機能します。
SESで正当な評価がされない…そんな時は、もちろん会社側に問題があるケースも多いですが、エンジニア自身も、最大限の評価をしてもらえるように動く必要があります。
具体的には、スキルや経歴の可視化をしておく必要があります。そうすることで、より正当な評価を受けやすくなります。
評価制度の整った、ホワイトなSES企業を効率的に目指す方法としては、転職エージェントに相談すると良いでしょう。
転職活動は情報戦です。良質な情報を手に入れられるかどうかで勝負が決まります。
※各社のプロモーションを含みます。
転職してあなたの人生を変えられるのは、あなただけです。行動に移しましょう。
なかなか腰が重いのは、痛いほど分かります。しかし、転職に関する作業は苦痛ですが、転職する時だけです。
一方で、転職しなかった場合は、ずっと苦痛になる可能性があります。
その後のエンジニア人生が左右される重要な決定事項です。この記事をお読みになったあなたが、良いエンジニア人生が送れることを願っています。
株式会社ウィザードのアニジャと申します。SE(システムエンジニア)歴10年。 経歴は、SES客先常駐→.NETエンジニア→Webマーケター。SESエンジニアで磨耗した自身の経験から、SES業界について情報発信しています。 株式会社Synergy Career様が運営するCareer Journalにて、SES関連の記事を監修。 ■保有資格 基本情報技術者、応用情報技術者、情報セキュリティスペシャリスト