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そのようにお悩みでしょうか。
結論から申し上げますと、SESにおける残業について違法なケースは拒否することが可能です。
現場からの要望で残業を指示される、いわゆる「偽装請負」のケースや、36協定で定められた上限を超える残業については、いずれも法令違反となりますので拒否することが可能です。
不当な残業については拒否する、というのが正しいスタンスと言えます。
一方で、「残業は全て1秒たりとも完全に拒否する」と言った強行的な姿勢を示すことはおすすめできません。もちろん残業を推奨するわけではありませんが、SESで残業すること自体に違法性があるわけではないですし、納期前などの繁忙期は協力的に業務をこなすなどの柔軟性も必要です。
業務内容や指揮命令関係、ワークライフバランスなどを考慮して、総合的に判断することが求められます。
SESの労働時間や残業についての問題は複雑なテーマです。エンジニア、雇用主であるSES企業、常駐先と3社間での取り組みとなるためですね。
難しいテーマですが、できるだけ分かりやすく解説します。
当記事の信頼性…当メディアは、株式会社ウィザードが運営しています。
受託・SES案件の開発実績は2,000件以上。数多くのSESエンジニア、SES会社、SES転職事例を見てきました。
2022年度のエンジニアを含む情報通信業の平均残業時間は月15.7時間です。
近年では、働き方改革の推進により、多くの企業で残業時間を削減する意向が強まっています。そのため昔ほど多くないというのが、最近の実情です。
ただ、これはあくまでも平均値であり、納期前などは大幅に増える場合はあります。とはいえ、過度な長時間労働を求められるようなケースは減っていると考えて良いでしょう。
SESの現場で残業が起こってしまうのは、管理者のスケジュール調整力に起因することがほとんどです。
管理者のマネジメントスキルが高い現場では、エンジニアの業務時間についての調整もしっかりと実施されているため、無用な長時間労働が起こりにくくなります。
悪い管理者の例としては、「20時まで仕事してください」などと残業の強制を実施するケースなどがあります。マネジメントとして稚拙すぎますし、エンジニア側も終わりのない残業に疲弊してしまいますよね。
冒頭で説明した通り、偽装請負のケースや、契約内容次第では拒否が可能です。契約時点における労働時間をオーバーする残業は違法となるためです。
ただし、SESにおける時間契約については月140時間~180時間くらいの稼働時間など、ある程度幅を持たせた時間をベースとしたSES契約が一般的です。
そのため、契約内容についてはよく確認する必要があります。
残業がほぼないSES案件も存在しています。
「ほぼ」としたのは、納期前などの繁忙期に差し掛かると、どうしても多少の残業が発生するケースが多いためです。
しかし、普段の勤務についてはしっかりと8時間勤務で管理されています。極力残業をしたくない!という方は、そういったSES案件を探すのが最適と言えます。
現場の企業からの直接の残業依頼は、いわゆる「偽装請負」となり、労働者派遣法違反となります。
偽装請負とは…形式的には請負(委任(準委任)、委託等を含む)契約でありながら、実態としては労働者派遣であるもの
簡単に言えば、「実質的に労働者派遣の状態にありながら、請負を偽装している」ということです。
偽装請負を見分けるポイントは以下になります。
現場企業からの残業指示や命令は2に該当します。
偽装請負は労働者派遣法違反となるため、不当な残業として拒否することが望ましいと言えます。
当然のことですが、対価が支払われないサービス残業については断固拒否すべきと言えます。
ただし、SESでは労働時間の概念が曖昧に処理されているケースが多いと言えます。
成果物の納期は決まっているものの、細かな業務時間までは定められていないため、残業の扱いが不明瞭になる場合があります。
これに対しては、契約内容をしっかりと理解して、残業に対する対価が支払われるように交渉するべきと言えます。
残業時間が長時間すぎる場合、労働基準法に違反するケースや、体を壊してしまう可能性があります。
もし残業が発生する現場に行く場合は、どの程度の残業時間であるかはしっかり確認するべきと言えます。
なお、36協定では時間外労働の上限は原則として月45時間、年360時間まで*と定められています。
*特別条項により、繁忙期のみ月100時間未満までの延長が可能
まずは、現場で指示された残業の指示内容について明確に把握しましょう。
自社の上長、またはSES営業に対して、現場から残業の指示が出た事実を報告します。
現場の企業と直接交渉するのは避けましょう。なぜなら、残業の調整は雇用に関する内容のため「クライアント企業とSES企業の間」で実施されるべきだからです。
また、現場の企業が立場を利用して不当な交渉をしてくることを防ぐ意味合いもあります。
SES企業を通じて交渉していきます。契約内容や法的根拠を元に話を進めるとスムーズです。
残業が少ないSES案件は存在します。実際に弊社でも、月の稼働時間が160時間で回る案件を受注しています。
ただし、そういった案件を探すことは簡単ではありません。多くのSES企業や案件についての知識を深めていく必要があります。
とはいえ、一人で転職活動を進めているだけでは、良質な情報に辿り着くのが難しいと言えます。
そんな時は、企業の人事部と密なコミュニケーションをとっているIT転職エージェントに協力してもらうと効率的です。
IT専門の転職エージェントがサポートしてくれる転職サイトは以下になります。
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その後のエンジニア人生が左右される重要な決定事項です。この記事をお読みになったあなたが、良いエンジニア人生が送れることを願っています。
1998年に創業してから開発 ・ 運用実績は2,000件以上です。「どこにでもある中小ソフトハウス」ですが、受託・SES案件に従事する中で、数多くのSES会社やエンジニア転職の実例を見てきました。 その中には、良い例も、悪い例もあります。隠すことなくお伝えすることで、あなたのエンジニア生活がより良いものになるようにサポートいたします。