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そんな声を耳にすることがあります。
結論としては、テスターとしての業務を経験したその後、開発や設計などの上流工程に携わることができる予定なら、問題ありません。
その場合、エンジニアとして正常なキャリアパスを築いていけるためです。
一方で、年単位でずっとテストエンジニアをやらされる場合は、転職を視野に入れて活動するべきです。
以下、詳しく解説します。
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受託・SES案件の開発実績は2000件以上。数多くのSESエンジニア、SES会社、SES転職事例を見てきました。
もちろん、テスターをやるメリットがないわけではありません。以下では、テストエンジニアをやった場合のメリットを解説します。
テスト業務を遂行することで、システム開発とはどういったものか?を下流工程を通じて学ぶことができます。
また、テスト仕様書の穴を見つけて改善していくことで、プログラムに潜むバグ(不具合)を見つけるコツを体得することができます。
これはのちにプログラミングでロジックを作成する際にも役立つスキルといえます。
テストエンジニアとして業務を遂行するということは、そのプロジェクトにおける最終的な成果物に触れることができます。
担当するソフトウェアがどのような設計思想で作られたか知る機会となり、実装された機能に触れることで特徴もわかります。
さらに可用性やレスポンスといった非機能要件についても考慮することができます。
そのため、ソフトウェア開発者という、ものづくりの専門家における基礎を学ぶことが可能です。
テスト仕様書や結果報告など、ドキュメント作成のスキルを身につけることができます。
ドキュメント作成においては、何よりも正確に分かりやすく伝える技術が求められます。
のちにSEやプログラマーといった職種にスキルアップした際にも、外部仕様書・内部仕様書などのドキュメント類を作成する機会があるため、生きてくるスキルといえます。
テストエンジニアはスキルの身に付かないただの「作業」です。
チームリーダーや先輩エンジニアが作成したテスト仕様書に基づいて、ひたすらシステムのテストを繰り返します。
そのため、プログラミング技術の向上や、システム開発のスキルは身につきませんね。
基本的に、ITプロジェクトの下流工程に携わるエンジニアは、上流工程に携わるエンジニアと比べて年収は低い傾向にあります。
もちろん、絶対とは言い切れませんが、多くの場合は当てはまるでしょう。
もしあなたが高い給料を望むのであれば、ずっとテストエンジニアでいることは得策ではありません。
テストエンジニアの仕事は、すでに組み上がったプログラムやシステムの不具合を見つけるために行う作業です。
単純作業となるため、今後AIやツールで置き換わっていく可能性があります。もちろん、テスト仕様書の作成やテスト結果の確認はまだまだ人間がやる必要がありますが、主力業務であるテストの実施が無くなることで、テストエンジニアの需要も減っていくことが予想されます。
そうなった時にも対応できるように、より上位工程を経験しておくことが大切です。
テスト業務はシステム開発における最下流工程の作業です。
上流工程で作業が押していることも多々あり、十分とはいえない期間で対応しなくてはいけないケースも散見されます。
そのため、スケジュールがタイトなことが多く、残業が増えることも懸念されます。
筆者も駆け出しSESエンジニアだった頃に、テストエンジニア要員として現場に駆り出されたことがあります。
その時は、いわゆる「モンキーテスト」と呼ばれるテストを実施しました。
モンキーテストは「猿でもできるテスト」もしくは「猿が操作してもバグらないようにテストする」という意味です。
完成しているシステムのUI(画面)に対して、ひたすらボタンを連打したり、入力フォームに数値、文字、記号などを入力する作業です。
テスト仕様書は上から降りてきたものを参照して従うだけです。
テストをする際は、画面コピーをとって「証跡(エビデンス)」として保存します。証跡がないと、本当にテストを実施したかどうか分からないためですね。
アルバイトや学生でもできる作業です。
ただ上から降りてきたテスト仕様書を盲目的に実施するだけでなく、テスト仕様書の内容が正しいか?という点も確認します。
また、テスト内容が十分かどうか?も考慮します。
筆者の時代(10年以上前)ですが、少なくともSESエンジニアの登竜門として、テストエンジニアをやらされることがありました。
今はどうなっているか分かりませんが、全く無くなっているわけではなさそうです。
大切なのは、その後のキャリアパスについてです。
筆者の場合は、徐々に開発ができる現場に移ることができましたが、そのままテストエンジニアやコールセンターの業務ばかり…と言う場合は、単なる使い捨ての労働力として扱われている可能性があります。
社員のスキルパスを考慮できない企業はブラックです。そのような場合は、すぐに転職するなどして、自分の身を守る必要があります。
テストエンジニアから脱却するためには、プロジェクトの上位工程を目指す必要があります。
中でも、プログラマー(開発職)への転職は、テストエンジニアからのステップアップとしては最適です。
実際に筆者も、いくつかのテスター業務を経て、開発職へとステップアップしました。
まずはプログラマー(開発職)を目指しましょう。そのためには、そもそも開発ができる仕事を受注することや、SESであれば開発をメインとする現場を選ぶことが必要です。
プログラミングスキルを身につけることができれば、そのスキルを活かして他の現場に入ることもできますので、テストエンジニアよりも食いっぱぐれにくいといえます。
プログラミング職よりも、さらに上流工程を目指すエンジニアは、マネジメント職を目指すと良いでしょう。
より上流工程であるため、収入UPも期待できます。ただし、マネジメントよりもプログラミングでロジックを作成する方が好き、という方もいます。
ですので、プログラミング職またはマネジメント職を選ぶ際は、適正や好み次第なところもあります。
今は優秀な転職エージェントがサポートしてくれる転職サイトがあるため、恵まれています。
転職してあなたの人生を変えられるのは、あなただけです。行動に移しましょう。
なかなか腰が重いのは、痛いほど分かります。しかし、転職に関する作業は苦痛ですが、転職する時だけです。
一方で、転職しなかった場合は、ずっと苦痛になる可能性があります。
その後のエンジニア人生が左右される重要な決定事項です。この記事をお読みになったあなたが、良いエンジニア人生が送れることを願っています。
1998年に創業してから開発 ・ 運用実績は2,000件以上です。「どこにでもある中小ソフトハウス」ですが、受託・SES案件に従事する中で、数多くのSES会社やエンジニア転職の実例を見てきました。 その中には、良い例も、悪い例もあります。隠すことなくお伝えすることで、あなたのエンジニア生活がより良いものになるようにサポートいたします。