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SESでコールセンター(ヘルプデスク)はやめとけ。
そんな声を耳にすることがあります。
結論としては、コールセンターでの業務を経験したその後、開発や設計などの上流工程に携わることができる予定なら、問題ありません。
その場合、エンジニアとして正常なキャリアパスを築いていけるためです。
一方で、年単位でずっとコールセンター業務をやらされる場合は、転職を視野に入れて活動するべきです。
以下、詳しく解説します。
当記事の信頼性…当メディアは、株式会社ウィザードが運営しています。
受託・SES案件の開発実績は2000件以上。数多くのSESエンジニア、SES会社、SES転職事例を見てきました。
コールセンターの現場に行かされる企業は、労働力を搾取するブラックSES企業である可能性が高いといえます。
「最初は家電量販店やコールセンターでの業務からスタートして、エンジニアの研修を受けながら実力が付いたら開発業務ができる」といった内容の求人が存在します。
そのような求人に騙されないように注意してください。そもそもエンジニアとして働きたいのにコールセンターに行かされる必要はないですし、そのままコールセンターや家電量販店で働かされる可能性が高いといえます。
コールセンターはスキルの身に付かないただの「作業」です。
チームリーダーや先輩エンジニアが作成した応対マニュアルに基づいて、ひたすら電話対応を繰り返します。
そのため、プログラミング技術の向上や、システム開発のスキルは身につきませんね。
コールセンターやヘルプデスクといった顧客対応は、将来性が低いといえます。AIの台頭により、徐々に仕事自体が少なくなっていくことが予想されるからです。
例えば、Webサイト内にチャットボットなどが表示され、簡単なやり取りならそこで完結してしまうこともあります。
SES業界では、多重下請け構造が蔓延しています。
コールセンター(ヘルプデスク)は、下請け構造の下層である場合が多いです。
場合によっては4次請け、5次請けという可能性もあり、間に入った企業に「中抜き」されてしまいます。
そのため給与水準が低く、継続して続けても昇給が見込めないため、長く続けるべき仕事ではありません。
コールセンター業務ではスキルがつかないため、長く続けてしまった場合に転職先が見つかりにくくなります。
プログラミングやシステム開発の知識がつかないですし、ヘルプデスクは誰でもできるという印象を持たれてしまうためです。
そのため、現在SESでコールセンター業務を行っている場合は、ソフトウェア開発のスキルが学べる現場に早めに移ることをおすすめします。
もちろん、コールセンターをやるメリットがないわけではありません。
顧客から要望を汲み取るコミュニケーションスキルを学ぶことも可能ですので、全くの無駄ではありません。
ただし、それも少し経験すればすぐに身につきますので、長くやるのは得策ではないでしょう。
筆者の時代(10年以上前)ですが、少なくともSESエンジニアの登竜門として、コールセンターの対応をやらされることがありました。
今はどうなっているか分かりませんが、全く無くなっているわけではなさそうです。
大切なのは、その後のキャリアパスについてです。
筆者の場合は、徐々に開発ができる現場に移ることができましたが、そのままコールセンターの業務ばかり…と言う場合は、単なる使い捨ての労働力として扱われている可能性があります。
社員のスキルパスを考慮できない企業はブラックです。そのような場合は、すぐに転職するなどして、自分の身を守る必要があります。
なお、他にも
データパンチ…紙で存在する情報をひたすらPCに打ち込む作業、
モンキーテスト…上から降りてきたテスト仕様書に従ってテストするだけの作業要員
家電量販店への派遣…システム開発とは全く関係のない労働
これらの仕事をさせるSES企業はブラックである可能性が高いといえます。
コールセンターではなく、ちゃんとシステム開発のできる優良なSES会社は存在します。筆者はITエンジニア歴10年で、さまざまなSES企業を見てきましたが、断言できます。
見極め方のコツをお伝えすると以下のようになります。
筆者がこれまで見てきた「優良な中小企業」は、大企業からの仕事を直接受注している企業が多かったですね。
そのため、多重下請けではないことを確認しましょう。もちろん一次受けであることが望ましいですが、さまざまな事情がありますので、2次受け程度までなら許容できると言えます。
多重下請けの案件ばかり請けている会社では、コールセンターやテスターなど、質の低い案件が集まりがちです。
間に入った企業に売り上げを抜かれていることがあり、利益率が下がってしまいます。
結果として、給与水準が低くなってしまうケースが多く見られます。
チーム体制で仕事ができている会社がおすすめです。チーム体制であれば、上司を頼ることができますし、評価制度もしっかり機能します。
昨今では、現場に常駐せずに、リモートで作業できるSES案件も増えています。
SES案件であったとしても、自社、または自宅での作業が可能となりますので、SES案件にありがちなデメリットがほとんど解消されると言えます。
SESのリモート案件を受注できている、または継続できている企業を探すのは非常におすすめです。
会社の言いなりになって、コールセンターの現場に行く必要はありません。エンジニア自身が声を挙げて、他の現場へ行かせてもらえるように要求しましょう。
その際に、嫌な顔をされたり、渋られたりする場合はブラック企業の可能性が高いです。まともな企業であれば、他の現場を紹介してくれるはずです。
ただし、スキルがマッチした現場を紹介してもらうために、自身のスキルアップをしておくと良いでしょう。資格やプログラミングの自主学習でも良いので、現場から必要とされるエンジニアを目指します。筆者の経験上、JavaやPHPなどが書けるエンジニアは案件が多いです。
コールセンターではなく、開発の現場にアサインしてくれる会社に転職するのも一つの方法です。
コールセンターにSES常駐させる企業では、下流工程の案件が多い可能性があるため、開発の案件を持っている良質なSES企業に転職しましょう。
今は優秀な転職エージェントがサポートしてくれる転職サイトがあるため、恵まれています。
※各社のプロモーションを含みます。
転職してあなたの人生を変えられるのは、あなただけです。行動に移しましょう。
なかなか腰が重いのは、痛いほど分かります。しかし、転職に関する作業は苦痛ですが、転職する時だけです。
一方で、転職しなかった場合は、ずっと苦痛になる可能性があります。
その後のエンジニア人生が左右される重要な決定事項です。この記事をお読みになったあなたが、良いエンジニア人生が送れることを願っています。
1998年に創業してから開発 ・ 運用実績は2,000件以上です。「どこにでもある中小ソフトハウス」ですが、受託・SES案件に従事する中で、数多くのSES会社やエンジニア転職の実例を見てきました。 その中には、良い例も、悪い例もあります。隠すことなくお伝えすることで、あなたのエンジニア生活がより良いものになるようにサポートいたします。