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SESの引き抜きは違法?

結論から言って、SESの引き抜きは違法ではありません。SESから常駐先の企業に就職するのは、よくある話です。

労働者には職業選択の自由がありますから、常駐先から良い話があった場合は、受け入れたくなるのが自然です。

「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する」 と日本国憲法でも定められています。

とはいえ、引き抜かれるということは、元々いた会社に対して不義理してしまう可能性があります。

そのため、元々いた会社、常駐先、自分の「3方良し」で上手にまとめる必要があります。

以下、詳しく解説します。

当記事の信頼性…当メディアは、株式会社ウィザードが運営しています。
受託・SES案件の開発実績は2,000件以上。数多くのSESエンジニア、SES会社、SES転職事例を見てきました。

なぜSESで引き抜きが行われるのか

なぜ、SESの現場では引き抜きが頻繁に行われるのでしょうか。その理由を解明していきます。

現場でのコミュニケーションが主体になるため

SESでは客先に常駐することになり、自社の人間よりも現場の人間とコミュニケーションを多くとることになります。

すると、自社への帰属意識よりも、現場の人間関係の方が大切になってしまうケースがあります。または、自分が現場の企業の人間であるかのように感じることも多いでしょう。

そうなってくると、自社よりも現場の方が信頼できる存在になりがちです。

SESで引き抜きが多く行われるのは、「現場常駐」という構造的な理由があるのです。

企業は優秀な人材を採用したいため

どこの企業でも、営利を求める以上は優秀な人材を採用したいのは当然です。

職場への馴染みの良さや、仕事ぶりがすでにわかっている常駐スタッフを雇いたくなるのは自然な流れです。

即戦力になる

引き抜きは即戦力になるでしょう。極端な話、雇った次の日からフルでポテンシャルを発揮することが可能です。

普通に外部から採用する場合と比べると、非常に効率的です。

SESで引き抜きされるメリット

スムーズな業務移行ができる

現場で元から業務を遂行していたため、引き抜かれたとしてもそのまま業務をスムーズに進めることができます。

雇用主が変わったとしても、現場でやることは変わりないためですね。

人物評価が正確にできる

SESの引き抜きは、引き抜く側の企業にとってもメリットが多いです。

すでに業務を行っていた人物なので、人柄や仕事ぶりについて明確に把握できています。

そのため、雇ってからのミスマッチが起こりづらく、雇用にかけるコストが少なく済みます。

給与UPの可能性が高い

常駐先での直接雇用になりますので、今までのSESと比べて、給与水準がUPする可能性が高いと言えます。

もし、引き抜かれる先の企業の業務が自分の望んでいるものだとしたら、積極的に引き抜かれるべきと言えるでしょう。

SESで引き抜きされるデメリット

元いた会社への不義理になる

SESで引き抜きされる最大のデメリットとしては、元いた会社への不義理になるということです。そもそも、その現場に常駐できていたのも元いた会社のおかげですよね。

しかし、引き抜きという形で常駐先に雇用されるならば、元いた会社へ利益を提供することは難しくなります。

ただし、元いた会社のメンバーに積極的に仕事を回したり、SES契約を継続できるように働きかけるなど、貢献できる点はあるはずです。

そのような立ち回りをすることで、元いた会社とも一緒に気持ちよく仕事を進めることができます。

引き抜かれて入社したことを隠すのではなく、元いた会社に対して恩義を尽くすことで、引き抜きに関するトラブルを穏便に済ますことも一つの解決策です。

業務は固定的なものになりがち

SESの時とは違って、新たに入る企業の業務へ専念することになります。

そのため、業務内容については数年にわたって固定的なものになるケースが多いでしょう。

これをメリットと見るかデメリットと見るかは人それぞれではありますが、さまざまな現場で幅広く経験を積みたい、という方には向いていない働き方と言えます。

SESで引き抜きの実例

筆者が5年間SESエンジニアとして従事していた頃に、実際に身近で起こった引き抜きの事例をご紹介します。

大手IT企業への転職

まず、誰もが知っている大手IT企業へ、引き抜きで転職した実例です。二子玉川に本社があるといえば、多くの方がピンとくるあの会社です。

いつの間にか、人事のキーマンと仲良くなっており、常駐先への転職を決意したようです。

元いた会社からすれば、むしろ常駐先に転職してもらった方が、本人の精神的な独立のためにも良いと判断しましたので、しがらみもありませんでした。

製造業の社内SEへの転職

板金事業および微細溶接事業を手がける大手製造業の社内SEへ転職した事例です。

この方の場合は、SES時代から非常に優秀な仕事ぶりを発揮しており、もはや「引き抜き待ったなし」の状態で、常駐先への転職はスムーズに実施されました。

元いた会社にも継続的に仕事を回したり、チーム体制で引き続き業務を遂行したりと、不義理を働くことのないように配慮していました。

中小SES企業同士の転職

常駐先の現場だけでなく、中小SES企業同士の引き抜きのケースもしばしば見受けられます。

元いた会社に特に恩義を感じていないケースや、給与に不満がある場合、また社外のお世話になった方についていくなど、人によって引き抜きの事情はさまざまです。

引き抜き以外の転職方法

引き抜きで今の現場にうつる他にも、転職エージェントのサポートで転職するのも選択肢の一つです。

  • マイナビ IT AGENT|人材紹介・転職サイト:定番のマイナビです。大手なので案件数も多く、登録だけでもしておくと良いでしょう。
  • Geekly(ギークリー)|IT・Web・ゲーム業界特化型の転職エージェントです。首都圏のIT企業に強いコネクションを持ち、IT業界に関する非公開求人・独占求人を多く保有しています。
  • 社内SE転職ナビ|社内SE案件を専門に扱う転職エージェントです。社内SEの求人数は業界トップレベルで、SES(客先常駐)からのキャリアアップを目指すエンジニアに多く利用されています。

※各社のプロモーションを含みます。

転職してあなたの人生を変えられるのは、あなただけです。行動に移しましょう。

なかなか腰が重いのは、痛いほど分かります。しかし、転職に関する作業は苦痛ですが、転職する時だけです。

一方で、転職しなかった場合は、ずっと苦痛になる可能性があります。

その後のエンジニア人生が左右される重要な決定事項です。この記事をお読みになったあなたが、良いエンジニア人生が送れることを願っています。

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この記事を書いた人

WIZARDブログ編集部

WIZARDブログ編集部

1998年に創業してから開発 ・ 運用実績は2,000件以上です。「どこにでもある中小ソフトハウス」ですが、受託・SES案件に従事する中で、数多くのSES会社やエンジニア転職の実例を見てきました。 その中には、良い例も、悪い例もあります。隠すことなくお伝えすることで、あなたのエンジニア生活がより良いものになるようにサポートいたします。

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