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SESエンジニアは、何かと待機期間があります。
一つ目は、今の現場が契約終了になり、その時点で次の現場が決まっていない場合です。多くの場合は、一旦自社に通うか、リモート勤務になることでしょう。
二つ目は、現場に入ったけど、スケジュールの調整や人員配置などの都合で待機期間が生じるケースです。
当記事では、SES常駐歴5年の筆者が、そんな待機期間を有意義に過ごすためのコツをお伝えします。
当記事の信頼性…当メディアは、株式会社ウィザードが運営しています。
受託・SES案件の開発実績は2,000件以上。数多くのSESエンジニア、SES会社、SES転職事例を見てきました。
SESエンジニアの待機期間は、長くても1ヶ月程度です。
SESエンジニア歴5年の筆者がこれまで多数のSES案件、SES企業を見てきた肌感覚での数値ではありますが、一般的と言って差し支えないでしょう。
通常、今の現場を去ることが事前に通達されています。そのため、今の現場にいる時点で、すでに営業が次の現場を探しています。
今の現場と次の現場、双方に日程調整を打診し、できるだけ待機期間が短くなるようにするのが普通です。
待機期間が数ヶ月に及ぶ場合は、黄色信号です。SES案件を取ってこれない、営業力の弱い会社と言えます。
営業力が弱いと、質の低いSES案件ばかりになりがちで、結果として、タイミングよく取ってこれた案件に強引にアサインされるケースも多々あります。
そうなると、エンジニアのキャリアパスに影響が出てしまいます。理想は、自身のキャリアパスにマッチした案件を選べるSES企業が良いでしょう。
半年や一年待機…なんて噂も聞くことがありますが、まともじゃないですね。
会社によっては、待機期間中は6割支給など、基本給が減給されるケースもあります。
そのような待遇の会社はブラック企業である可能性が高いので、すぐに転職に向けて動くのが無難です。
そもそも待機期間になってしまったのは、エンジニア本人だけの都合ではないですよね。優秀なSESエンジニアであっても、現場の契約期間や、他案件との兼ね合いでどうしても待機期間が生じることはあります。
そのため、減給されるのは理不尽と言えます。
なかなか次の常駐先が見つからないと不安になるかも知れませんが、SES案件を待機中のエンジニアをクビにすることはできません。
労働者を守るために、労働契約法でもそのように定められています。
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
引用:e-GOV 法令検索 平成十九年法律第百二十八号 労働契約法
仕事が見つからないことが「客観的に合理的な理由」にはならないためですね。
ただし、次の現場がなかなか見つからない場合は、自分から転職するなどのアクションを起こすべきと考えます。良い現場を探して来れない会社は早く見限った方が賢明です。
長すぎる待機期間は、会社にとってもエンジニアにとっても都合が悪いですよね。
案件を持ってくる立場の営業や上司に、自身の要望をしっかりと伝えるようにしましょう。
会社から提案された現場に、100%言いなりで行く必要はありません。しっかりエンジニア側からも要望を伝えて良いのです。
会社から提案された新しい現場が、自身のキャリアパスやスキルにマッチした案件かどうか、しっかり確認することが大切です。
SESでは、行ってみたら話が違った…というケースがよくあります。
これは、自社の営業マンが現場の特性を理解できなかった可能性があります。
事前にできるだけ現場の解像度が高くなるように、営業マンとのコミュニケーションをしっかりとするようにしてください。
これは必須作業ですね。特に、直近で行っていた現場について、得られたスキルや現場で触れた環境などをまとめておく必要があります。
「スキルシート」と呼ばれる職務経歴書にまとめることが多いですね。
待機期間中は、キャリアパスを見直すための良い期間です。
目標とするキャリアにマッチした現場に行けているか?
今思い描いているキャリアパスは本当に自分に合っているか?
など、しっかりと考え直すことができます。
資格の勉強をするのも良いでしょう。国家資格である基本情報技術者、応用情報技術者などを取得するのがおすすめです。
資格が全てではありませんが、一定の評価をしてくれる事もあります。
一例として筆者の場合、応用情報技術者と情報セキュリティスペシャリストを保持していますが、現場の面接の際に高く評価していただいたケースがありました。
より良い現場に行けるチャンスに繋がります。
待機期間中に、自社の仕事がある会社がベストです。自社で受託開発や自社開発のプロジェクトがある会社ですね。
待機期間の無駄が少ないですし、技術レベルもUPすることができます。
弊社のスタンスとしては、「SESでも優良案件なら問題ない」というのが結論です。実際に、リモート対応OKのSES案件を現役でこなしています。
以下は、優良なSES案件・企業の見分け方になります。
現場に行くSESでは、「チーム体制で仕事ができるかどうか」で変わってきます。
一人で現場に行っている場合は、守ってくれる自社の社員が居ないため、何かと不便な思いをする可能性があります。
一方で、チーム体制で仕事ができる場合は、自社の上長やリーダーと協力することができるため、必ずしも「SESは悪」とは言い切れません。
いわゆる「プライム案件」(一次受け)の案件であれば、現場常駐でも受注する価値が高い案件といえます。直接取引なので利益率が高く、作業の質も高い傾向にあるためです。
多重下請けの案件は、質の良い作業は他の協力会社社員で椅子が埋まっていることが多いですね。
ただし様々な事情があるため、2次受け程度までであれば許容できる範囲といえます。
個人の感じ方によっても差がありますが、通勤時間が長すぎない現場であれば問題ないでしょう。
主観ですが、ドアtoドアで1時間以内が理想です。それ以上なら、他の案件を回してもらうなどして対処すると良いですね。
営業力があって案件を豊富に持っているSES企業であれば、個人個人に最適な案件が見つかる可能性が高いと言えます。
待機期間中は、現場の作業をしている時に比べて時間ができると思います。
そのため、転職活動を進める絶好のチャンスと言えます。
優良なSES企業を探すためには、効率的な情報収集が必要です。今は優秀な転職エージェントがサポートしてくれる転職サイトがあるため、恵まれています。
※各社のプロモーションを含みます。
転職してあなたの人生を変えられるのは、あなただけです。行動に移しましょう。
なかなか腰が重いのは、痛いほど分かります。しかし、転職に関する作業は苦痛ですが、転職する時だけです。
一方で、転職しなかった場合は、ずっと苦痛になる可能性があります。
その後のエンジニア人生が左右される重要な決定事項です。この記事をお読みになったあなたが、良いエンジニア人生が送れることを願っています。
1998年に創業してから開発 ・ 運用実績は2,000件以上です。「どこにでもある中小ソフトハウス」ですが、受託・SES案件に従事する中で、数多くのSES会社やエンジニア転職の実例を見てきました。 その中には、良い例も、悪い例もあります。隠すことなくお伝えすることで、あなたのエンジニア生活がより良いものになるようにサポートいたします。