SESでは、面談の際にエンジニアの経歴を詐称することがあります。例えば、数ヶ月しか経験していないプログラム言語を半年以上の経験にする…といった具合です。
売り上げ最優先のブラックSES企業で、横行している悪しき習慣の1つです。
当然ながら、エンジニアにとってはデメリットしかありません。経歴詐称をさせるような企業からはすぐに離れて、ホワイトなSES企業を探すことを強くおすすめします。
当記事では、SESにおける経歴詐称について、その問題点や、経歴詐称させられそうになった場合の対処法について詳しく解説します。
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受託・SES案件の開発実績は2,000件以上。数多くのSESエンジニア、SES会社、SES転職事例を見てきました。
SES企業では、できるだけ高単価でエンジニアを現場に行かせたいですよね。その方が儲かりますので当然のことです。
ですが、現実的にはそう簡単な話ではなく、単価は高いけど経験が足りない案件も多く存在します。
そのような案件を見つけた時に、無理にでも行かせようとして、結果として経歴を盛ったり、嘘をついて行かせようとするのです。
経歴詐称は、案件に対して適切なスキルを持つエンジニアが在籍していない場合に起こります。
一方で、様々なスキルセットを持つエンジニアを抱えていれば、詐称などする必要がありません。
スキルや経験が浅いエンジニアばかりを中心に雇用している企業では、高単価な案件にマッチする人材が確保できていません。結果として、経歴詐称が横行しやすい環境になってしまうのです。
会社の売り上げが最優先になっている場合は、できるだけ待機期間を短く、なおかつ単価の高い案件に行かせようとします。
当然ながら、経歴詐称をすることでエンジニアに不利益が生じますが御構い無しです。
一方で、エンジニア一人一人のキャリアやスキルパスを大切にする企業であれば、経歴詐称をして現場に行かせるようなことはしません。
スキルのアンマッチが起きると、1ヶ月や2ヶ月といった短期間で出戻りしてしまうケースも見受けられます。
スキルのアンマッチは誰も幸せにならないので、そもそも起こらないように配慮するべきと言えます。
当然ながら、経歴詐称をするとアンマッチ率が高まります。
当たり前のことですが、ビジネスに嘘はご法度です。経歴SESの経歴詐称を行うと、最悪の場合、訴訟や裁判沙汰になる可能性もあります。
本来持っていないスキルを「持っている」と嘘を付くわけですから、そのリスクは非常に高いといえます。もちろん会社だけでなく、あなた自身も大きな不利益を被る可能性もあります。
会社に指示されたからといって、安易に経歴詐称をするのは絶対にやめましょう。また、経歴詐称を推奨するような企業はすぐに抜け出すのが賢明と言えます。
SESにおける経歴詐称で「スキルシートを盛る」のはもっとも手軽で、効果が高い手法です。
スキルシートの記載は基本的に自己申告で簡単に書き換えることができるため、やろうと思えばすぐに出来てしまうのです。
実際には1〜2ヶ月程度で、スキル不足で短期退場していた現場を、半年や一年と長く経験したかのように申告するケースです。
C#の技術者なのに、Javaも出来ます!といった形で、他言語の経験値を偽って伝えることがあります。ひどい場合には、実際には参考書を読んだだけ…なんてケースもあります。
スキルシートなどドキュメント類だけではなく、口頭ベースでエンジニアに嘘を付くように指示する方法です。
経歴詐称をする会社の問題としては、SES営業スキルが低いことが主な原因です。営業力が弱いと、そもそも取ってこれる案件の数が少ないため、限られた案件から選ぶしかありません。
そのため、少しミスマッチな案件にも強引にアサインすることがあります。結果としてスキルが足りず、経歴詐称を強要する可能性があります。
Pマークや一般労働者派遣事業許可のない事業者は注意が必要です。
国や省庁といった公的機関からの認定資格を持っていない企業は、信頼性が低く、経歴詐称などの悪行に手を染めがちです。
SESの待機期間中に減給するなど、待遇の悪い企業が存在します。
待機期間になってしまったのは、エンジニア本人だけの都合ではないですよね。優秀なSESエンジニアであっても、現場の契約期間や、他案件との兼ね合いでどうしても待機期間が生じることはあります。
そのため、減給されるのは理不尽と言えます。
なお、SESの待機期間の適切な対応については以下の記事で詳しく解説しています。
⇨SESエンジニア 待機期間の過ごし方。給与は?クビになる?何する?
営業力が弱いSES会社では、多重下請けの案件ばかりで、良質な1次請けの案件が少ない傾向があります。
仲介業者が多く存在する4次請け、5次請け案件は、単価が安い上に、案件の質も落ちる傾向があります。
作業内容が単調だったり、炎上しているプロジェクトであったり…質の低い案件しかない企業では、エンジニアのキャリアパスよりも売り上げを優先する傾向があります。結果として、経歴詐称も平気で行うような企業風土の場合があるので気をつけましょう。
ブラックSES企業の特徴については、以下の記事でより詳しくご紹介しています。
⇨SESのブラックリスト入り企業。未経験だと確定?特徴や見分け方。
経歴詐称を指示するような会社はブラック企業である可能性が高いので、すぐに転職に向けて動くのが無難です。
SESの案件選びに疲れた…そんなケースもあるかと思います。その場合、いっそSES以外の働き方に転職することで、解決することができます。
SIer、自社開発企業、社内SEなど、SESではないITエンジニアとしての働き方を模索すると良いでしょう。
これらの職種については、以下の記事でより詳細を解説しています。
優良SES企業の効率的な探し方としては、転職エージェントに相談すると良いでしょう。
※各社のプロモーションを含みます。
転職してあなたの人生を変えられるのは、あなただけです。行動に移しましょう。
なかなか腰が重いのは、痛いほど分かります。しかし、転職に関する作業は苦痛ですが、転職する時だけです。
一方で、転職しなかった場合は、ずっと苦痛になる可能性があります。
その後のエンジニア人生が左右される重要な決定事項です。この記事をお読みになったあなたが、良いエンジニア人生が送れることを願っています。
株式会社ウィザードのアニジャと申します。SE(システムエンジニア)歴10年。 経歴は、SES客先常駐→.NETエンジニア→Webマーケター。SESエンジニアで磨耗した自身の経験から、SES業界について情報発信しています。 株式会社Synergy Career様が運営するCareer Journalにて、SES関連の記事を監修。 ■保有資格 基本情報技術者、応用情報技術者、情報セキュリティスペシャリスト